映画という時間を賭けた博打
みなさんは口コミというものを参考にしますか?私は比較的参考にします。その口コミの規模が大きくなればなるほど、参考の度合いは強くなります。当たり前ですが。
故に去年は話題になった、"シン・ゴジラ"、"君の名は"、"湯を沸かすほど熱い愛"などを劇場で拝見しました。(強いて言うならズートピアを拾えてない)
そして先日も、例のように新年1発目の映画を見てきました。
作品は"この世界の片隅に"という戦争がテーマの長編アニメーション。
この作品も何かと大きな話題のもの。日本映画最高額のクラウドファンディングを成功させたり、口コミが口コミを呼び小規模の上映から全国上映へ拡大されたりなどなど。著名人も軒並み絶賛しています。
能年ちゃんが主演声優だし暇なときにでも見るかと前から思っていたのですがタイミング的に年を越してからの鑑賞になりました。
言うほどそんなに面白くなかったです。
ここまでは前置き。
いろいろ作品を挙げましたがそれらのレビューなんてハナからするつもりはありません。
僕がこれからしたい話は、この作品を見て改めて感じた"映画"についてのことです。
まず、
・映画って長くね
映画の上映時間は基本90分から120分くらいが相場でしょうか。テレビと違って途中にCMなどは当たり前に入ってきませんので、ガッツリ2時間近く座りっぱなしといった感じ。
長ぇ。
サッカーでも45分見てハーフタイム挟んで45分の90分。ぶっ通しではやらない。何でかっていうと選手以上にファンが90分ぶっ通しで応援するのはキツイから。カビラがそう言ってた。
野球だってファンがずっと応援するのは大変だから攻撃と守備で応援代わりばんこしてるし、ボクシングだって応援が大変だから3分戦って1分休憩のスパンになってる。
マラソンに至っては長丁場だからそもそも応援をしない。選手が目の前通ったら誰彼構わず頑張れ!って声かけるだけ。テレビに映りたいだけ。(そんなことはない)
おっとっと、話が脱線した。
とにかく映画は長ぇって話なんですが、まぁ作品によってはあっという間、ということもあるわけで。
でもそれは映画を見てみないとわからない。
映画を見てからじゃないとそれがあっという間で面白かったのか、微妙で長く感じたのかはわからないのです。
そこが今回私が大きな声で訴えたい、映画のジレンマ。
・映画は賭け
映画というのは、その作品に2時間近い時間を費やし最後まで見て初めて、良し悪しが判断ができるというなんとも時間をかけることにおいて博打的なものであると感じます。
映画を見る習慣がないと言われてしまえばそれまでなのかもしれませんが、見た後の損得の話ではなく、見るに至るまでのプロセスにジレンマを感じてしまうのです。
そしてそのジレンマをできるだけ解消に近づけるため私たちが使える道具が、他者の評価やレビューたちです。
・映画レビューのムズさ
映画のレビューというのは非常にリスキーです。
直接的なネタバレではなくてもその映画を見る前段階としては知ってしまうと少し損な気がする情報がさらっと記されていたり、個人の所見があたかも正解かのように述べられていたり、絶賛されていたりこき下ろされていたり、魑魅魍魎もいいところ。リテラシーもクソもない。わからん。無理。ムズすぎ。
・口コミという闇
じゃあ口コミはどうだ。こいつらもムリ。わからん。闇。闇オブ闇。映画の評価という点では全くつかめない。なぜなら口コミというのは広がるにつれてバカにも広がっていく。バカは右にならいその口コミをそのまま謎の拡散力で広げていく。ゆえにボヤける。核が見えなくなる。
そして私は口コミに振り回され続ける。
まぁ去年は材料が結果過去の記録を塗り替えるレベルの代物たちであったため口コミがボヤけていても作品がしっかりしていたので被害者は少なかっただろうけど。
・口コミに裏切られたときの気持ち
みなさんもあるでしょう。見終わった後、「あれ?」みたいな経験。
「まぁまぁまぁ、こっからなんでしょ?」ときて、
↓
「ん、もしかして?」
↓
「あ、終わった。」
見てる途中ずっと心配しかしてない。
不発に終わる湿気ったロケット花火を最後まで見てる気分。
振り返ると2時間近くを浪費しているし、ポップコーンやジュースなども買ってるからチケットと合わせて2000円ぐらい軽く飛んでる。
そしてそこから自分が乗った波が大したことなかったことへの恥ずかしさ、ふがいなさ、そして苛立ちが、混ざりに混ざり複雑な感情が生じる。
"丘"映画サーファーはいつだってこんなカンジ。
私はこの感情に名前を付けた。
いや付けていない。(思いつかなかった)
・ご覧のように
当方、映画を見ることにあまり価値を見出していない。もちろん面白い映画は好き。サマーウォーズはもう50回以上見たし。(本当)
けれど自分にとって面白い映画を探す努力は難しい。レンタルにいたってはまた別の話。
・"近年の草食系男子の恋愛観のそれ"
このエントリーにオチを用意すると、これまで長々と講釈垂れてきたことは、"近年の草食系男子の恋愛観のそれ"に非常に似ている。
つまりそういうことなのかも知れない。
説明をすると自傷行為にしかならないので多くは語らない。俺の背中を見ろ。
なんだか予期せぬ最後なってしまい自分でもビックリしているが、きりの良いここら辺でお終いにしたいと思います。
では、映画に乾杯。