カムバック吉野家
駅前の吉野家がここ一週間やっていない。
なんらかの設備トラブルらしいがとりあえず一週間吉野家が開いていない。
これがいかに私にとって、いや、我々吉野家一門にとって死活問題であることか。
"隣に松屋あるんだしそっち行きゃあいいだけの話じゃん"
と言う人もいるだろう。何もわかってない。お前そういうとこ本当よくないから治したほうがいいよ。と私の心の中のつぶやきシローはつぶやく。
そもそも松屋と吉野家は全くの別物。
同じ牛丼チェーンとは名ばかりで実態はイオンとヨーカドーくらいには違う。
あれ?じゃあそんなに違くないんじゃ?…
いや、違う。全然違うんだってば。
亀田興毅と亀田大毅ぐらい違うの。
であるからしてこれまで吉野家に向けていた足の行き場をなくした我々は、今、ひとつの逆踏み絵とも言える試練を課されている。
それは、結局松屋に行くのか行かないのか。
信仰心の高い吉野家一門であればこんな問いかけなどただの茶化しでしかないのだろう。彼らはただただ吉野家の帰りを正座で、しかも針山の上で待ち続けている。
しかし私のような若輩者は吉野家無き今持て余した牛丼欲をため続けることは出来ず、夢精をするように結局松屋へ足を踏み入れてしまう。
その松屋にいる時の心持ちたるや思う人がありながら好きでもない相手と性行為をするそれと全く同じで、目をつぶって吉野家の風景を広げながら松屋を必死にかきこんでいる。
もうこんな惨めな思いはしたくない。
早く帰ってきて吉野家さん。
これ以上松屋なんて食べてたらアタシ、汚れちゃう…